日本旅行医学会

●第6回 関西 感染症・ワクチンセミナー

●開催日時 2019年09月29日(日)
●場所 「大阪国際会議場(グランキューブ大阪)」12F 特別会議室
〒530-0005大阪府大阪市北区中之島5丁目3-51
(京阪電車中之島線「中之島(大阪国際会議場)駅」すぐ)
●概要 タイトル:第6回 関西 感染症・ワクチンセミナー
日  時:2019年09月29日(日)10:25~15:55(予定)
会  場:大阪国際会議場(グランキューブ大阪)12F 特別会議室
主  催:一般社団法人 日本旅行医学会
後  援:一般社団法人 日本旅行業協会

過去5年間の「関西感染症・ワクチンセミナー」は参加者の方々からご好評の声を多数頂いており、本年度も当セミナーを開催する運びとなりました。
医師、産業医、看護師、産業看護職(保健師含む)その他医療・福祉関係の方々、添乗員等旅行・観光業界の方々、保健所、検疫所、海外進出企業や海外留学等のご担当者など、多くの方々のご参加をお待ちしております。

★日本旅行医学会認定制度
 認定試験の受験、認定資格更新のための単位が、終日参加で20単位取得可能
●プログラム
(2019/09/29)
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■10:25~10:30
オリエンテーション
日本旅行医学会 理事

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■10:30~11:25 [4単位]
「タイで治療を受ける~急病、ワクチン、HIVの予防と治療~」
(医)太融寺町谷口医院 院長 谷口 恭
講演要旨:タイは大勢の日本人が短期から長期で訪れてる国であり医療の需要が多い。実際の需要を踏まえて3つの観点から効果的なタイでの医療機関のかかり方について述べる。1つめは、突然の急病や怪我をしたときの受診、2つめはワクチン接種について紹介する。
医療機関によってはMMRや狂犬病の費用は日本の10分の1(あるいはそれ以下)であり観光で短期間訪タイするような場合にも接種を検討してもよいだろう。3つめにHIVの治療・予防について述べる。PEP(曝露後予防)もPrEP(曝露前予防)も、薬の種類によっては日本の100分の1以下になることもあり、ここまで差があれば治療目的での渡タイを視野に入れるべきかもしれない。
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■11:25~12:20 [4単位]
「インフルエンザの発症リスクを低減できる 『HydroAg+ 持続除菌アルコール製剤』」
富士フイルム株式会社 メディカルシステム事業部 事業開発グループ
統括マネージャー 阿部 洋史
講演要旨:季節性インフルエンザは毎年流行し、多くの患者が発生するが、環境の消毒を組み入れた効果は一般社会(特に学校等の教育現場)での効果は未だ確認されていない。教育現場での環境消毒効果とインフルエンザの発症予防効果を検討するため、アルコールによる即時殺菌効率に加え、銀イオンによる持続性除菌効果が期待できるHydroAg+(ハイドロエージイープラス)(富士フイルム(株))を用いて環境消毒の効果を検討したところ、2018年度においては、神奈川県西部地区中学12校、クラス数148クラス、生徒数4035名で、前年度に比し感染生徒数、学級閉鎖数が大幅に減少し感染予防効果が認められた。



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■12:35~13:30 [4単位]
ランチョンセミナー【協賛 株式会社つばめLabo】
「狂犬病ワクチン~曝露後接種を中心に~」
千駄ヶ谷インターナショナルクリニック 院長 篠塚 規


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■13:40~14:45 [4単位] 
「職域で啓発したい性感染症の実状」
そねざき古林診療所 院長 古林 敬一
講演要旨:性感染症は職域で表立って問題になるわけではないが、仕事のパフォーマンスを下げたり、欠勤の要因となりうる。したがって、労働者に感染リスク行動を避けるよう促す啓発は地味ではあるが重要である。
本講演では、主な性感染症の実状を概説するとともに、意外な性感染症や気づかれにくい感染リスク行動など、啓発に役立つ情報をお伝えしたい。

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■14:55~15:50 [4単位]
「トラベルクリニックの最新事情(ドイツ・オーストリア)」
TravelMedCenter Leonding,
Austria Labor Hannover MVZ GmbH, Germany
Dr. Martin HADITSCH
講演要旨:リスク評価に基づき、旅行医学の推奨事項には、今日では非感染性の話題も含まれなければなりません。データからは、外国への旅行中に起きる健康問題の大きな部分が心疾患、基礎疾患の悪化、心理的要因、事故によるものであることが示されています。これは休暇の種類の変化、旅行人口の低年齢から高年齢へのシフト、海外での仕事、などのためですが、底にあるのは、特定の医学的状態を持つ旅行者の数の着実な増加によります。
レジャー時(スポーツ)の活動のリスクも、自動車事故のリスクも、圧倒的に過小評価されていることは明らかです。負傷すれば、予後は外傷の種類だけではなく、応急処置の有無、その後の治療の質、に左右されます。先進国から訪れた旅行者にとっては、特に過疎地へ向かう者にとって、医療の質は低い可能性があります。

予防は通常3本の柱に基づきます:リスクの高い暴露を回避する(修正された)行動、特定の医薬品の定期的服用(マラリアに対する化学的予防として主に知られているもの)、そして予防接種です。ワクチンの相談に関して広く受け入れられている方法は、感染の可能性に対して、ワクチンで予防可能な疾患の重症度を比較検討することです。その結果重症で頻度が高い疾患、または一般的な疾患(国のワクチン表に含まれるようなものを含めて)については、接種を推奨すべきです。発生率は低いが影響が大きい疾患(LIHI)、および発生率は高いが影響は小さい疾患(LIHI)を考慮し、まれで通常ささいな疾患に対する予防接種は、通常は推奨すべきではありません。推奨するものとしては、A型肝炎、はしかなどです。LIHI疾患には、狂犬病および日本脳炎などがあり、HILIには例えば毒素原性大腸菌(ETEC)による下痢症およびインフルエンザ(それ以外は健康状態のよい、従順な旅行者では)があります。さらに旅行者および旅行医学の専門医は、旅程および最終到着地で特定の予防接種が求められているかどうか必ず確認する必要があります。

 大半の旅行者がおろそかにしていますが、ダニは広範囲の領域の病原体を伝染させます。したがって多様な疾患の原因となります(欧州や北米の先進国においてさえも)。それらの中にはバベシア症、アナプラズマ症、エールリヒア症、ボレリア症、さまざまなリケッチア症、クリミア・コンゴ出血熱(CCHF)、ダニ媒介脳炎(TBE)などがあります。その中で、最後に挙げましたが、ダニ媒介脳炎は、特別です。というのは唯一の、ワクチンで予防可能な感染症であるからです。

フラビウイルスの昆虫媒介性感染であるダニ媒介脳炎は、伝統的には西はフランスから東は日本の北海道まで、南はギリシャ、モンゴルから北はスカンジナビア、バルト三国、シベリアまで広がる風土病でした。この巨大な風土病の広がる面積は、過去には斑点状に存在していましたが、最近は融合した分布に変化をしています。さらに、この感染症の疫学は変化しており、北方へ、そして高緯度へと移動しています。また近年、ダニ媒介脳炎の典型的な季節パターンも変化しています。こうした季節や疫学の変化は、少なくともある程度地球の温暖化によると考えられます。ダニ媒介性脳炎は、指摘したように広がりつつあり、しかも重篤な病気であるにもかかわらず、長い間、旅行医学ではおろそかにされてきました。

2012年から、ダニ媒介脳炎は一部の欧州諸国で法定伝染病となっています。それにもかかわらず、また届け出ることが義務化されていても、過小報告されており、旅行者における発生率の平均を推定することも、ほとんど不可能です。WHOによると、毎年10,000件から12,000件発生しており、症例の致死率は0.5~2%になると推定されています(シベリアの亜型の感染症では、さらに高い可能性があります)。
旅行前の診察では、これから出発しようとしている旅行者に対するダニ媒介脳炎のリスクを層化することは、さらに難しいです。なぜなら「ダニが刺す季節における戸外活動」というのは、リスクを定量化するには非常にあいまいで、誤った印象さえ与えかねません。旅行者におけるダニ媒介脳炎に関する出版物はほとんどがたった一例の症例報告に限られており、より大きなデータセットの分析は、何十年も前に発表されたものが少しあるだけで、(そして大体レトロスペクティブなデザインとなっている)、あるいは特定の地域から来た旅行者に限られたもので、ブロスペクティブな研究は不足しています。
名前が示しているように、ウイルス性病原体は特定のダニの種(ほとんどがマダニとシュルツェマダニ)のダニ咬傷により伝染します。しかし、低温殺菌されていない乳製品による感染や、検査室での感染に関する報告もあります。

ダニ媒介脳炎に対するワクチンは、欧州諸国の一部において(FSME immun®/Ticovac®, Encepur®―成人用と小児用製剤)、およびロシアにおいて(TBE-Moscow®, EnceVir®)それぞれ登録されています(中国の一部の地域ではハムスター腎細胞で生産された精製全ウイルスワクチンもあります)。旅行者がダニ媒介脳炎の予防注射を受けるようアドバイスを受けても、欧州の近代的な極めて有効な複数回投与のワクチンの利用が限られていることが、外国から入国する旅行者には大きな障害の一つです。そのためほとんどの旅行者が欧州は安全な大陸と判断しているのとは反対に、旅行先の活動、季節、滞在期間により、ダニ媒介脳炎に対する予防接種を含めて、予防的行動が考慮されるべきです。

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■15:50~15:55
閉会挨拶
日本旅行医学会 理事

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※敬称略
※プログラム内容・時間・講演者は予定であり、変更になる場合がございます。

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●申込方法
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下記より申込書をダウンロードいただき、必要事項をご記入の上、事務局までメール・FAXにてお送りください。

◆お振込先口座名義のカタカナ表記は
「シヤ)ニホンリヨコウイガクカイ」です。
※参加費入金確認のため、必ずお振込みが確認できる書類(ATMレシート、払込票、インターネットバンキングの完了画面等)を申込書指定欄に貼付するか、2ページ目としてご送付ください。
※参加費は、自然災害等やむを得ない場合を除き、不参加やキャンセルの場合でも返金致しかねます。予めご了承ください。

◆参加申込書のエクセル版は、こちらから→http://jstm.gr.jp/news/seminar_application_xlsx/
●参加費 日本旅行医学会会員3,000円 / 一般(非会員)5,000円 / 学生 2,000円
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