2016年4月16日17日の第15回日本旅行医学会大会にて
山田兼雄賞を受賞された篠原恵介先生 コメント です。
この度は栄誉ある賞を頂き、大変嬉しく思うとともに、関係各位に心より感謝いたします。
さて、私は医師としていくつかの学会に属していますが、本学会は私にとって特別な存在です。どのように特別かというと、総会のパンフレットが送られてくる度に、ほほーと頷いたり、そう来たかーと突っ込みを入れたり、これほどワクワクしながら、パンフレットを開ける学会は他にありません。皆様もご存知のように、本学会の講演はタイムリ―であり、実践的であり、いい意味でボーダーレスです。そういう意味で、本学会は私に知らない世界の風を運んできてくれる小さな窓がたくさんある存在なのです。
往々にして、我々医師は狭い診察室の中で忙しく時間を過ごし、「外の世界」に疎くなりがちです。ただ、我々の向き合うべき患者さんはその「外の世界」からやってきます。狭い診察室の中からでは想像もできない程の社会環境の変化に曝されている人かもしれません。そういった時、本学会からの風が、正しい診断・治療に導いてくれる手助けになるかもしれません。そういう想いで、昨年発表させていただいた「産業医学と旅行医学のクロスロード」が今回評価されたことは大変意味深いものと受け止めております。
「日本人の移動」がそのスピード、ボリューム、エリアという点で急速に拡大していくなかで、教科書でしか知らなかった疾患が身近なものとなったり、仕事の形態が変化して、労働環境のリスクが増大したりする今日では、本学会の意義はますます重要になるものと考えられ、今後一層の発展を願うとともに、私自らも皆様を手助けできる小さな小窓となりうるように、ますます精進する所存ですのでよろしくお願い致します。
2016年4月16日
シャープ(株)電子デバイス 健康管理室
篠原 恵介