日本旅行医学会

ブラジル、メキシコにおけるジカウイルス感染

レベル3(警告/不要不急の旅行を避ける
レベル2(警戒態勢/予防措置を拡大)
レベル1(注意/通常の予防措置)

現在の状況は?

2015年11月にメキシコでジカウイルス感染症(ジカ熱、http://www.cdc.gov/zika/index.htmlを参照)の最初の局地感染例の報告がありました。局地感染とはメキシコにおいて蚊がジカウイルスに感染して、蚊からヒトへジカ熱の感染が拡がることを意味します。

ジカウイルスは蚊によって伝播することから、CDCはメキシコへの旅行者は蚊に刺されないする手段を講じるよう勧告しています。

旅行者がジカ熱を防ぐのに何をすればよいですか?

ジカ熱を予防するためのワクチンおよび治療するための薬剤はありません。旅行者は蚊に刺されることを避けることで予防することができます(http://www.cdc.gov/zika/fs-posters/index.htmlを参照)。

  • 長袖シャツと長ズボンを着用して皮膚を覆います。
  • ジエチルトルアミド(DEET)、ピカリジン、ユーカリオイル、またはIR3535を成分とする米国環境保護庁登録の防虫剤を使用します。必ず説明書にしたがって使用します。
  • 妊娠中および授乳中の女性は、製品ラベルを見てDEETを成分とする米国環境保護庁登録の防虫剤を使用するようにします。
  • DEETを成分とするほとんどの防虫剤は生後2ヶ月以上の乳児に使用できます。
  • ペルメトリン処理(http://npic.orst.edu/pest/mosquito/ptc.htmlを参照)が施された衣類や服装・装備(ブーツ、ズボン、靴下、テント)を用います。処理済みの衣類は入手可能で、自分自身でペルメトリン処理を行うこともできます。
  • 虫除け網で遮蔽された部屋または空調設備のある部屋に滞在し、睡眠を取ります。

気分が悪くなりジカ熱に感染したと思われる場合

  • 発疹、関節痛、目の充血を伴う発熱を催した場合は、かかりつけの医師または看護師に相談し、旅行したことを伝えます。
  • 発熱や疼痛を抑えるためにアセトアミノフェンやパラセタモールなどの薬剤を服用します。アスピリン、アスピリンを成分とする薬剤、およびイブプロフェンなどの非ステロイド性抗炎症薬の服用は避けます。
  • 休養を十分に取りそして水分を多量に摂取します。
  • ジカ熱の伝染を防ぐために新たに蚊に刺されないようにします。

妊娠中のジカウイルス(暫定勧告)

ジカウイルスは妊婦から胎児へ感染します。母親が妊娠中にジカウイルスに感染した場合、出生児に小頭症(http://www.cdc.gov/ncbddd/birthdefects/microcephaly.htmlを参照)という深刻な脳の先天性出生異常およびその他の妊娠転帰不良が発生することが報告されています。ジカ熱とこうした出生異常との関連についての情報は増加していますが、ジカ熱の知識が深まるまでは、CDCは次のような特別な措置を取るように勧告します。

現在妊娠中の女性に対しては

  • ジカウイルス感染症の流行地域への旅行は延期するようにします。
  • どうしても感染地域へ旅行しなければならない場合は、まずかかりつけの医師と相談し、旅行中は蚊を防ぐ措置を厳密に遵守します(http://www.cdc.gov/zika/fs-posters/index.htmlを参照)。

妊娠予定の女性に対しては

  • 旅行前に、かかりつけの医師に妊娠予定でジカウイルス熱の感染リスクがあることを伝えます。
  • 旅行中に蚊を防ぐ措置を厳密に実行します(http://www.cdc.gov/zika/fs-posters/index.htmlを参照)。

ジカウイルスの感染が流行している地域の特定は困難なことが多く、流行地域は時間の経過とともに変化する可能性があります。感染事情が明らかになるにつれて、旅行者への通知情報は更新されます。最新のCDCの勧告を頻繁にチェックしてください。

質疑応答:ジカウイルス感染症(ジカ熱)と妊娠

Q:どのような経路でジカウイルス(ジカ熱)は伝染するのですか?

ジカ熱は主としてヤブカに刺されることによって伝染します。妊娠中または出産前後において母親から胎児・新生児に感染することもあります。妊娠中または出産前後に母親から胎児・新生児にジカ熱が伝染する頻度については判明していません。

Q:どのような人に感染リスクがありますか?

ジカウイルスが検出される地域に居住または旅行する人でこれまでにジカウイルスに感染したことのない人は、妊婦を含め感染リスクがあります。

Q:ジカウイルス感染症(ジカ熱)ではどのような症状がありますか?

ジカ熱の感染者のおよそ5人のうち1人が発症します。発症した人には通常は軽度の症状が現れます。このため多くの人は感染したことに気付くことはないと思われます。

最も多くみられるジカ熱の症状には発熱、発疹、関節痛、結膜炎(目の充血)があります。症状は蚊に刺されてから通常2~7日後に現れます。

Q:私は妊娠中です。ジカウイルスは私自身そして生まれてくる子供にどのような影響があるのでしょうか?

CDCはジカウイルス感染が流行している地域や特定の国々に旅行する人に対しトラベルアラート(レベル2:警戒態勢/予防措置を拡大、http://wwwnc.cdc.gov/travel/noticesを参照)を出しています。対象となる地域・国々には、ブラジル、コロンビア、エルサルバドル、仏領ギアナ、グアテマラ、ハイチ、ホンジュラス、マルティニーク島、メキシコ、パナマ、パラグアイ、プエルトリコ、スリナム、ベネズエラがあります。

このトラベルアラートは、ブラジルにおいて妊娠中にジカウイルスに感染した母親から出生した新生児に小頭症(http://www.cdc.gov/ncbddd/birthdefects/microcephaly.htmlを参照)およびその他の妊娠転帰不良が発生するという報告を受けて発令されました。しかし母体のジカウイルス感染と出生児障害との関係を解明するには更なる研究が必要になります。妊娠中のジカウイルス感染の危険性を明らかにするための研究が計画されています。

ジカ熱の知識が深まるまでは、十分な警戒を要することもあり、とりあえずCDCは妊娠中の女性および妊娠予定の女性に対し次のような特別な措置を取るように勧告します。

  • 妊娠女性はどの妊娠期にあるのかを問わずジカウイルス感染が流行している地域への旅行を延期するようにするべきです。流行地域へ旅行しようと妊娠女性は医師などの医療専門家にまず相談して、旅行中は蚊を防ぐ措置を厳密に遵守します(http://www.cdc.gov/zika/fs-posters/index.htmlを参照)。
  • 妊娠を予定している女性は流行地域への出発前に医療専門家に相談し、旅行中は蚊を防ぐ措置を厳密に遵守します(http://www.cdc.gov/zika/fs-posters/index.htmlを参照)。

ジカウイルスの感染が流行している地域の特定は困難なことが多く、流行地域は時間の経過とともに変化する可能性があります。感染事情が明らかになるにつれて、旅行者への通知情報は更新されます。最新のCDCの勧告をウェブサイト(http://wwwnc.cdc.gov/travel/を参照)で頻繁にチェックしてください。

Q:ジカ熱を予防するためのワクチンおよび治療するための薬剤はありますか?

いいえ、ジカ熱を予防するためのワクチンおよび治療するための薬剤はありません。

Q:私は妊娠中です。ジカ熱の症例が報告されている国に旅行したいと思っているのですが。

ジカ熱の知識が深まるまでは、十分な警戒を要することもあり、とりあえずCDCは妊娠中の女性および妊娠予定の女性に対し次のような特別な措置を取るように勧告します

  • 妊娠女性はどの妊娠期にあるのかを問わずジカウイルス感染が流行している地域への旅行を延期するようにするべきです。流行地域へ旅行しようと妊娠女性は医師などの医療専門家にまず相談して、旅行中は蚊を防ぐ措置を厳密に遵守します(http://www.cdc.gov/zika/fs-posters/index.htmlを参照)。
  • 妊娠を予定している女性は流行地域への出発前に医療専門家に相談し、旅行中は蚊を防ぐ措置を厳密に遵守します(http://www.cdc.gov/zika/fs-posters/index.htmlを参照)。

ジカウイルスの感染が流行している地域の特定は困難なことが多く、流行地域は時間の経過とともに変化する可能性があります。感染事情が明らかになるにつれて、旅行者への通知情報は更新されます。最新のCDCの勧告をウェブサイト(http://wwwnc.cdc.gov/travel/を参照)で頻繁にチェックしてください。

Q:妊娠中または授乳中であっても防虫剤の使用は安全性に問題ないですか?

はい問題ありません。防虫剤は安全であり効果があります。妊娠中の女性および授乳中の女性は米国環境保護庁登録の防虫剤のうちから選択し、製品ラベルの説明にしたがって使用するようにします。

Q:妊娠中でない女性が蚊に刺されジカウイルスに感染した場合、将来の妊娠に危険性が生じることがありますか?

妊娠中にジカウイルスに感染した場合、胎児に及ぶ危険性についてはわかっていません。しかし、ジカウイルス感染が将来の妊娠における出生異常を引き起こすリスクにはなりません。ジカウイルスが通常感染した人の血中に留まる期間は2~3日から1週間にすぎません。ウイルスが血中から排除された後は胎児に感染することはありません。

Q:ジカ熱にかかったときの対処法は?

対症療法を行います。

  • 休養を十分に取ります。
  • 脱水を防ぐために水分を摂取します。
  • 発熱や疼痛を抑えるためにアセトアミノフェンやパラセタモールなどの薬剤を服用します。
  • アスピリンなどの非ステロイド性抗炎症薬の服用は避けます。

他人への感染防止(http://www.cdc.gov/zika/pdfs/sick_with_chikv_denv_zika.pdfを参照):感染後1週間経過するまではジカウイルスが血液中に存在し、蚊を媒介としてその感染者から他者へジカウイルスが伝染することがありえます。そしてジカウイルスに感染した蚊によりウイルスが他の人々に広まる恐れがあります。他者にジカ熱を伝染さないようにするには、発病後1週間は蚊に刺されることを防ぐことです。

現在妊娠中でジカウイルス感染症の報告がある国から帰国後2週間以内に発熱、発疹、関節痛または目の充血という症状がある場合はかかりつけの医療機関を訪ねることです。医師には旅行した先を必ず告げてください。

コラム

旅行医学豆知識 Mebio掲載記事 メディア掲載記事 感染症について
  • 日本旅行医学会facebook