日本旅行医学会

-旅行医学豆知識- 第4回 虫除けは現地の薬を

虫刺されの危険性や虫除け対策、刺された場合の対処法など紹介いたします。

虫刺されの危険性

 虫に刺されると、かゆかったり、はれたりと不快なもの。しかし、虫刺されの問題はそれだけにとどまりません。アフリカなどでマラリアを媒介するハマダラ蚊や、インドネシアなどでデング熱を媒介するネッタイシマ蚊などに刺されると、ときに命にかかわる事態になることもあるのです。ジャングル・トレッキングや虫の多い場所への旅行の際には、長袖、長ズボンを着用して肌が露出しないようにするのが基本対策です。首や手、足首など、どうしても露出してしまう部分には、虫除けスプレーをかけて虫刺されを防ぎます

虫除けスプレー

 日本の薬局で販売されているものは、一般に効き目があまり強くありません。ビーチリゾートでの滞在や街の観光だけなら十分ですが、東南アジアやアフリカへの旅行の場合には、現地の空港や薬局、ホテルなどで、より効き目の強いものを購入することをお勧めします。成分表示を確認して、デイート(DEET)という成分が30~50%含まれているものを購入するようにしてください。虫除け対策としては、ほかに蚊帳も有効です。ぜひ活用してください。

刺されてしまったら

 患部をむやみにかいて傷を広げたりすることのないよう、虫に刺されたら、とりあえずかゆみ止めを塗ってください。炎症を抑える作用の強いリンデロン軟膏がお勧めです(ただし、市販薬ではないので、医師に処方してもらう必要があります)。また、ハチに刺された場合には、抗ヒスタミン軟膏が効きます。


MENU