日本旅行医学会

-旅行医学豆知識- 第6回 低体温症-山の救急医学

低体温症とは?

 低体温症とは、体温(深部体温)が2℃以上低下した状態をいいます。 人間は、体温が±1℃変化すると不調を感じ、±2℃で、変調をきたします。

低体温症の症状

低体温症は体温の低下とともに以下の症状が現れます。

体の内部温度 37℃~35℃
寒気を感じ、動作が鈍くなる。シバーリング(寒さによる身震い)が起こる。

体の内部温度35℃~33℃
正常な判断力の低下し理論的な思考ができなくなる。

体の内部温度33℃~30℃
シバーリングがなくなり意識レベルはさらに低下し不整脈、筋硬直が起こる

体の内部温度30℃~28℃
意識の消失、腱反射の消失。

体の内部温度28℃~26℃
心室細動が起こる。

体の内部温度26℃
筋硬直の消失、そして死に至る。

低体温症の初期対策

1.濡れた衣類を乾いたものに!(最悪状況でも、びしょ濡れ衣類を固く絞って再度着用する。)
2.防水と防寒のために重ね着をする
3.冷たい地面との間の断熱をする(シートなど)
4.温かい飲み物や食べ物を取る

低体温症の予防策

1.行き先の環境を熟知し、適切な衣類(防寒、雨具など)、装備(ツェルトなど)食料、水を準備する!
2.脱水を予防(口渇感じや尿の色をチェック)!
3.食事や間食での十分なエネルギー補給!
4.濡れることを防ぐ!
5.オーバーペースを避ける!(=過剰な発汗、疲労、エネルギー低下を避ける)
6.全てのメンバーが低体温症を熟知し、互いに初期症状に注意しあうこと!

低体温症の早期発見

 低体温症の発症の早期発見の手がかりは精神症状です。
1.同行者が気がぬけた様になり、遅れ気味になり「かまわず先に行ってくれ!」「すぐ追いつくから」と言う
2.同行者が、状況にそぐわない衣類となる
3.突然、悪い状況なのに衣類を脱ぎ始める
4.よろよろ歩くようになり、おかしな言動をする

上記のような言動をし始めたら要注意!低体温症の発症を疑って下さい。
過剰な不安、同じ言葉の繰り返し、妄想をきたすケースもあります。
軽症でも、自力救済を期待してひとりにしてはいけません。

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